『鬼譚抄』田永 徳馬さんへのインタビュー

異世界通信のお時間がやってまいりました。インタビュー担当のウォンバットやしろです。

さて今回は田永徳馬さんからお話を伺ってまいりました!

ではインタビューをどうぞ!!


はじめまして!わたくしウォンバットやしろと申しまして、記者的な事をしております(名刺を差し出して)

いきなりではございますが、是非、田永 徳馬さんのお話を伺いたいなと!

もしよろしければ、少し質問をさせてください!

記者・・・?ああ、瓦版屋みてぇなもんかい(じろじろと遠慮なく見る)

ま、今暇だからよ、付き合ってやろう?

ありがとうございます!

ではあなたの自己紹介をお願いします。

(断りもなく煙管にに火を入れ、ふかす)あ?ああ、田永徳馬ってんだ。

つっても名前で呼ぶ奴なんざついぞいねぇがな。

たいていの奴は「筍」って呼びやがるわ。ま、おめぇさんも好きに呼びゃあいい。くくっ(遠慮なく煙吐き出し)

(※「筍」とは「筍医者」のことで、藪医者以下のひどい医者は「やぶ医者にも至らない」「藪にも至らない」という意味を込めてそう言われる。腕は確かだが乱暴なのと態度が悪いのと見かけが長髪眼帯と怖いので「筍先生」と呼ばれる)

なるほど、筍さんと呼ばれているのですね。結構失礼な……笑

おめぇさんもそう呼んでくれてかまわねぇんだぜ?(にやりと笑いながら)

お住まいの場所はどういったところですか?

将軍様さまのお膝元、花のお江戸たぁ聞こえはいいかもしれねぇがな、ちょっと外れりゃ泥くせぇもんさ。・・・まぁそこが俺は気に入ってるがねぇ。

俺はその江戸の貧乏長屋で町人相手に医者の真似事してらぁね。

ふむふむ。

ではつぎに、特技、好きなことや苦手なことを教えてください。

苦手なことたぁ特にねぇがな。めんどくせぇことはその都度やるかどうか決めてるしな。

特技、好きなこと・・・それ、言ってもいいのかよ?(くっくっくっと楽しそうに笑いながら)

おめぇさん、見たところいたって普通の、いわゆる”人道にのとった”精神の持ち主だと見たがねぇ。

・・・聞きてぇかい?逃げださねぇで最後まで聞けんなら教えてやっても良いぞぉ?(口元は笑っているが、眼を細めてジッと見据え)

ぼくは記者ですから……聞きたいですけれど……(全身が震えている)

おやおや(大げさに言って顔色見るように覗き込んで)顔色わりぃぜぇ?具合よくねぇのかい?(白々しく言って喉鳴らして笑う)薬出してやろうかい?

(掠れた小声で耳元で)・・・ま、そこはよ?俺もよ、それで愉しい愉しい時間がなくなるのは困んだよ。俺の、この世で一番、愉しい時間、だ。わりぃが・・・大ぴらに書かれちゃ、俺はおめぇさんを、その”愉しい時間”に招待しなくちゃいけなくなっちまう・・・”逃げ出すな”っていうのはそういうこった・・・(ふいっと離れて、にかっと笑う)な?まだ長生きして、たくさん瓦版出してぇだろぉ?

(えらい人をインタビューすることになってしまった((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル)

はい、いや、そのとおりです……

田永 徳馬さんはお医者さんをされていると伺ったのですが……?

おおよ。独学だがよ。まぁ金のねぇ貧乏人が集りに来るようなもぐりさ。

たまに吉原や岡場所にも呼び出されるわ。おめぇさんも世話になったことあるかい?(からかうように笑い)ああ、俺はソッチは興味ねぇんだ。

遊女が医者がいるっつーても真っ当なやつぁ呼べねぇよなぁ。つまりそういうこった。

・・・医者やってる奴が皆善人だとおもわねぇほうがいいぞぉ?(喉ならしてにやりと笑い)

田永 徳馬さんのお友達をご紹介していただけますか?

”お友達”?(ハッと鼻で笑い)

そうさなぁ・・・うちにくる連中はたいてい医者が入り用な奴だけだからよ?

あ、仁三・・・仙木仁三郎(せんぎじんざぶろう)てーのが最近ちょろちょろしてやがんなぁ。

お役人だとよ。火盗改の同心だってよ。しょっちゅう仕事怠けに押しかけやがる。

お友達・・・お友達ねぇ?まぁそうかもな。(意味ありげに含み笑い)

仙木仁三郎さんとは仲がよろしいのですねえ!仕事怠とは、バレたら大変そうですね……

(軽くゴフッと咳き込み)・・・仲がいい、ねぇ・・・(含み笑い)考えたこともなかったが、まぁ・・・”類は友を呼ぶ”ってーのはあるってこったな・・・。いや、こっちの話だ。

まぁやつは”特別”だからよ、多少オイタしたところでお咎めはねぇだろうよ。・・・やつは火盗改の、・・・そうだな、”懐刀”で”妖刀”だ。(嬉しそうにニヤニヤ笑い)

そこはおめぇさん、瓦版屋なら自分で調べな?・・・命の保証はねぇけどよ(小声)

なるほどなるほど……ではちょっと質問をかえまして……

まだあんのかい?・・・いや怒っちゃいねぇよ?(微笑しつつ)なかなか肝すわってんじゃねぇかおめぇさん。

てぇしたもんだよ(皮肉と呆れ混じりの笑い)

お医者さんの心得をえたのはいつごろからですか?また、何故医者になろうと思われたのですか?

”心得”ぇ?いやえらく崇高な事聞いてくんな?

(少し高い声を作って)「貧しい人々が病や怪我で苦しんでいるのを見ていられなくて、私が世の中のお役に立てるならと医術を勉強いたしました。心得だなんて、まだまだ修行中です」

・・・・・・なぁんて言えば満足かよ?(顔を上げて目は見下して、にぃぃと笑い)

いいか?おめぇがいうような医者になんぞなるつもりなんざなかったし今だってそうさ。

俺が医術を身につけてんのはだな・・・?

(顔寄せて囁くように)・・・ヒトがどんな事をしたら死ぬか、どこまでやったら死んじまうか、

どこを、どうしたら、どれくれぇ痛ぇか・・・(少し上気したうっとりとした表情になって、ほう・・・と溜息)

・・・それが分かるからだ(くっくっくっ・・・と笑いを零しながら反応を見るかのように片眼を細めて見やる)

先生、何聞いてもこわいですよほんと……でも、ちゃんとお話をしてくださって、ありがとうございます!(ぺこっ

なぁに、俺のこと根掘り葉掘りしつこく聞く奴なんざ、仁三以外いなかったからよ?

・・・いや怒ってねーって(ククッと笑う)

最後の質問となってしまうのですが、その眼帯って昔からそうなのですか?何かお事故にでもあわれましたか?

(あー言っちゃったよ!みたいな顔をしている)

!・・・へぇ?最後にコレ聞いてくるとはね(ニヤァと笑い)ま、たいていの奴は怪我とか病気とかよ、それでだろうから俺の気に障るんじゃねぇかって触れずにおくんだよな?(指先で眼帯に触れつつ)たまーに物好きが深く突っ込んでくることあるけどよ。・・・別に躍起になって隠してるわけでもねぇんだぜ?(しゅるっと眼帯外し始め)そういう奴の反応は決まっててな(しゅるしゅる・・・)同じ顔をする(眼帯の布が全て取り払われると普通の閉じただけの左目)

・・・何となくだがおめぇさんは”例外”になりそうだなぁ(ゆっくり開かれる左目。その左目は碧眼。青い空色の瞳。まぶしさにきゅうぅ・・・と瞳孔が縮まる。光の加減で深い海色にも見える)

・・・”鬼”の目だ(人差し指を目尻に添えて楽しそうに笑い)・・・ヒトは”異物”に恐怖する。自分と違うもの、あり得ないものを恐れて排除しようとする。鬼子忌子と恐れ迫害した呪われたこの身・・・そう思い込んで殺しきることも祟りを恐れて出来なかった周りのヒトら・・・弱くて・・・実に愛おしいヒトのサガだ(うっとりとした微笑)

俺は”鬼”だ。愛おしいヒトを糧にする、”鬼”だ。角はねぇけどよ(ニィと笑い、冗談めかして言うものの、見開く目は狂気を孕んでいる)


インタビューを終えて、気づいたらおうちにいました。家路につくまでのことを覚えていないぐらい緊張していました……

角はなかったけれど、隠しきれていない狂気を感じました。

冗談めかして先生はいっていたけれど、彼は本物の……