第五回 完成はレベルアップファンファーレ

第一の試練、それは『完結』

「フォーチュンクエスト」という剣と魔法のファンタジー世界を描いたノベルスには「レベルアップおめでとうの歌」というのがありましてな……。

こんにちは、今回も開いていただきありがとうございます、骨董屋佐竹です。
「レベルアップおめでとうの歌」とは、経験値がある程度たまりレベルアップ、つまり次の段階に進んだ時に歌う祝福の歌でございます。
なぜいきなりこんな話をするのかって?
それは、今回のテーマが「物書きにおいての最初の大きなレベルアップとは何か?」という話だからです。
さて、皆さん分かりますか?

紙面も少ないですし、質問の答えを先に言ってしまいますが 『物語を完結させること』 です。

「なんで?」と首を捻る方多くもいらっしゃるでしょうが、物書きレベル1から始めて徐々に経験を積んでいくとまず初めにほとんどの人がこの壁にぶつかるのではないでしょうか?

実際 『完結させること』 は、難しいのです。

「壮大なネタふっちゃったけど、実際どうやって回収したら良いんだろう?」
「物語がいつまで立っても収束しない」
「ラストが思いつかない」
「飽きた、別なことがやりたい」

理由は色々ですが、誰もが一度は経験したことがあるでしょう。

『物語を完結させること』

これが「第一の試練」と言っても過言ではありません。
しかしこの険しい山場を超えることが出来れば、貴方は次の段階「人に評価を受ける立場」へとステップアップすることが出来ます!
今回は「完成を目指し、次のステップへみんなで駆け上がろうよ!」という話をしていきたいと思いますので、皆様どうぞよろしくお願いいたします。

「けいけんち」のため方とレベルアップ

まず、自分たちが考えるレベルアップってどんなもんだと思いますか?

「素人からいきなり商業作家」とかだと、 「レベル1の勇者がぬののふく装備してひのきのぼうでラスボスに襲いかかって倒す」 感じに思えますよね。
いや、さすがにそこまでのことを言ってるんじゃありません。
よほどの事がない限り無理の無理無理ですしね、それ。
時々出来る方がいらっしゃいますが、それは本当に例外です。
正直道行きは地道に行っておかないと、もしまぐれで倒せちゃっても後が続かないと思いますのであんまり推奨はできません。
私は皆さんで生き残るため、あんまりショートカットとかを考えないで地道なレベルアップを図っていただきたいなあと切に願っております。

では仕切り直して。

「作り手においてのレベルアップの瞬間」 とは何か? 先にも言いましたが、作り手としてレベルアップのファンファーレが鳴る時って 『作品を完成させた時』 だと私は考えます。

物を作るには、いくつか段階があります。
うちの子たる『作品』は、構想を練り、形にしていき、考えて考えて、何度も何度も推敲して推敲して完成までこぎ着けますよね。
そこでようやく書いた作品を客観視できる段階になり、目に触れる段階になるじゃないですか。
私の場合は、客観視できて自分で楽しめて「よっしゃぁ!」って心の中で吼えてから表に出す時に心の中でファンファーレが鳴ります。
さらに表に出した時「面白い」って感想いわれりゃ天にも昇る気持ちです。昇天です。
その声を報酬としてやる気ゲージがたまり、次の製作へのカロリーに変化していくのです。

わかりやすく図式にするなら。

製作(カロリー消費・経験値をためる)→完(成功体験・レベルアップ)→自分で楽しむ・人からの評価(報酬・カロリー蓄積)

これが続くことで、私でなくても物書きとしての成長が促進されて行く方は多いと思います。
ちなみにこれは『「面白い」って言われた時にレベルアップ』だと言わないところがミソです。
「評価」という貰えない場合もあるものをレベルアップ条件と考えるのは、簡単にポッキリ心が折れる場合もあるのでやめときましょう。

とは言うものの、初回から厳しい評価を投げかけくる人も中々いないと思われます故、初心者はそこを過剰にこわがらなくても大丈夫。
基本的に厳しい評価が出てくるのは一定水準越えてからですし、まずはどんどん出して読者の反応を見せて成長しましょう!!

つまり、何故完結をさせなければならないか?

「まずは一作品書き上げよう」って言葉はどんな教本でも言われてますが、前章を読んでどうしてだか大体分かると思います。

つまりは 『読める物を書き上げた』『読んで貰った』 という成功体験を積むことにより自信をつけようって事なのですよ。
反対に多少厳しく言えば 『完結させないと、それ以上のレベルアップを見込めない』 のです。

どうぞ皆様、最後まで終わらせて無い傑作を書いてる人は、是非是非完結させて発表してくだされ!
大丈夫、例えまだ未熟な技術だと自分で分かっていても、精一杯の表現を駆使しして完結させれば結果は必ずついてくる!!
活字中毒の一人として、超楽しみにしている人間が、少なくともここに一人いますから!! 

アイディアノートやボックスのススメ

ですがしかし「傑作は俺の心の中にあるんだよ」とか「今書く時じゃないんだよ」とおっしゃる方もいらっしゃると思います。
その場合は、そのままあたためてないで最初から最後までのアイディアノートやボックスを作って構想を書き残しておく事をお勧めいたします。

何故か?

やっておかないと、脳みその容量不足で削除されちゃったりするのです。
実は脳みそもそこまで万能じゃないので、容量過多で強制消去ってわりとあることなんですよ。

私なんか頭悪くてデリートしょっちゅうなので「知識」の段階ではなく「アイディア」になってしまったらあんまり溜め込まずに書くようにしております。
「知識」自体はうっかり消しても本読めば再インストールできますが(内容を忘れても書いてあった本とかは覚えてたりするものなので、前探した時よりも速いですし)、アイディアは本当に一期一会で替えが効きませんので消えちゃうともったいないですからね。

「でも、アイディアノートなんかに書いておいたらだれかにパクられるかもしれないじゃない? なら頭の中に置いておいた方が……」 と思う制作者様方も多いかも知れません。
実際盗作疑惑など、色々昔からあることも事実ですので、懸念はもっともかとも思います。

でも実際は おんなじ題材で描いたって人の料理のし方によって全ッ然違うものになりますんで、そこもあんまり心配しなくていいんじゃないかなーと私は思うのです。
それぞれが同じ題材を元にして面白い物描いても経験や思考によりそっくり同じになることはほとんどありませんし、同じ題材で元の作品をそのままトレースした作品が上を行くことなどはあまり聞いたことがありませんので。

それでも盗作が気になるんなら、「やっぱり先に出しちゃえばええんじゃないでしょうか」という考え方に戻ります。
まずは途中で放置しないで最後まできちんと書いちゃうか、せめてアイディアを決めてまとめちゃうかしましょうよ。
別の方に出されて「俺が考えたのに」と泣くよりは後悔が少ないですし、自分の中身もすっきりしますし、なによりアイディアが取り出しやすくなるので一石二鳥ですよ?

レベルアップおめでとう!

さて、自分で語り始めた話を終わらせることが出来た貴方。

おめでとうございます!
貴方には一気に充足感と疲労感が襲い「やったぜ」「なしとげたぜ」という安心感と共にそのまま一気に倒れて休む特権が与えられます!

いや冗談ではなく、この充足感と安心感はやった人にしか分からない立派なご褒美です。
そしてしばらく休んだ後、貴方は心身共に少し余裕を持つことが出来るでしょう。

 それがレベルアップ。

一回物語を完結させることが出来た制作者は『完成させた』という成功体験を自信に変え、今度は『物語を完成させる癖』を身につけることになります。
この癖は本当に重要で、一回付けば自信と矜持と余裕により「物語を作ったら完成させること」を自分に課すようになるのです。

『完成させることが出来なかった自分』 から 『完成させることが出来るようになった自分』 になることは大きな違いですし、ある意味ここから全てが始まります。
完結していないこと、まだ終わっていない事で完全な評価が出来ないことへの甘えをぬぐい去り、これから本格的に『評価を受ける立場』へランクアップ。
怖いことではありますが、自分が更に上の土俵に立つことが出来た証。

これこそが 『際限なく成長(レベルアップ)するため』 の階段です。

創作する皆様。
まずは語った話を完結させ、次の土俵に上がりましょう。
その先には、きっと新たな成長と世界と同じ立場の友(とも)とか好敵手(とも)が待ってます。
成長しつづければ、創作ほどのめり込み楽しいものはありません。
是非是非創作の楽しさを骨までしゃぶり尽くす勢いで、お互い際限のない楽しみにに身を投じましょうね!
ということで、今回の話は締めさせていただきます。

次回のお話

さて、次回のお話をさせていただきます。
次回は『萌え』に関するお話です。
と言っても「どうしたら萌えるのかとか」そういう話ではなく、『萌え』に必然性は必要なのか?
唐突な『萌え要素』に萌えることが出来るのか?
そんな感じの話を語っていきたいと思いますので、よろしければどうぞよろしくお願いしますね!
骨董屋佐竹でした。