第四回 キャラクター2(脇役も作り込むが吉)

こんにちは、骨董屋佐竹でございます。

前々回、前回は主に世界観『ファンタジー世界って作るの大変だけど出来たら楽しい』という話をしてきましたが、今回はまた第一回と同じキャラクターの話に戻ろうと思います。

と言っても今回は『主人公』ではなくて、『脇役』の話です。
脇役ってそう重要でもなさそうな気がしますが、実は物語を語る上でメチャメチャ重要なんですよ。
具体的に言うと、主人公とあんまり変わりないくらい。
主人公と世界だけで物語が成り立つことはめったになく(まったくないとは言えませんが、主人公が一人でいると思いがちなアーネスト・ヘミングウェイの「老人と海」やジャン・ジオノ「木を植えた男」、アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ「星の王子様」等でも脇役は存在します)大抵は脇役の言葉や反応、行動が物語を成立させるために重要な役割を果たします。

実際問題人間は世界に一人でいるわけには参りませんし、生きてもいけません。
物語においても、色々な人間が色々な考え方から色々な行動をするから作り出した世界に三次元の奥行きが出るのですし、『主人公』が世界の常識から外れた行動をしているのならば、『脇役』の常識的な意見や行動がそれがより引き立たたせます。

『脇役』との衝突で『主人公』に意義が生まれることもありますし、彼らから向けられる感情が『主人公』をより魅力的に見せることもあるでしょう。
なにより脇役がちゃんと動いてくれないと、制作者本人が楽しめません。(重要)
よりよく話を膨らませるため、世界観に三次元の奥行きを持たせるためにも、世界に生きる『周囲の人々』という『脇役』をしっかり作り込み把握して、生かしていきましょう。

今回は、脇役の重要性を創作的な話と商業的な話に分けて語ってみようと思います。

創作的な話

先だって書きましたが、物語に対する『脇役』の役割ってなんでしょう?
まず『脇役』として思いつくのは、主人公の友人知人関係と家族関係ですね。
主人公にも大体は父母がいて、母の胎から生まれ、祖父母や兄弟や親戚、彼らに関わる近所の人々や自治体、同時期に所属している組織(学校等)の人間などに守られて育ちます。

中には戦火に巻き込まれ「一人で生きてきた」と豪語するキャラクターもいるでしょうが、キャラクターである以上最低限のキャラクターと関わりを持てなければ生きていることすらままなりません。
反対に言うならば、『主人公』を形作ってきたものの大半は周囲から与えられたものであり、関わってきた『脇役』達は様々な角度から『主人公』を知っていて、それに応じて関わっていきます。
またこれから生きて出会っていくキャラクターは、これからの『主人公』を形作る重要な構成要素です。

彼らと関わりぶつかっていくことで更に『主人公』は成長し、未来の物語が紡がれていくことでしょう。
周囲の『脇役』との関係性を丁寧に描くことによって、また魅力的な『脇役』と関わらせることによって『主人公』は丸彫りにされ、更に複雑かつ魅力的に輝くことになるのです。
また『脇役』は『主人公』を立体化させると同時に、『世界』を説明する役割を持ちます。
彼らの生活をリアルに描くことにより、前回の話である『世界のリアリティ』を更に増大させることにもなります。

つまりは『主人公』だけでなく『脇役』もすべてが『うちの子』であり『世界の構成員』。
皆さんも是非すべての『うちの子』と『自分の世界』を充分に機能させ、輝かせてください!

商業的な話

『脇役』をしっかり作成しておくメリットは商業的にもあります。
『脇役』自体にファンが付くことで作品価値がドンと上がり、展開が膨らみます。

キャラグッズなどは勿論のこと、よく『スピンオフ』と呼ばれる本作品の派生作品がありますが、あれはかなりの確立で『脇役』と呼ばれるキャラクターが『主役』にのし上がり描かれる物語であることが多いです。
スピンオフにて主人公になるキャラクターは、下手すると主人公よりキャラクターが起っており主人公より人気があるという逆転現象が起きていたり、本作品において重要でありながら語られない(本筋に関わらなかったり語る必要がない)秘密を抱えているキャラクターだったりします。

また『オムニバス形式』で短編スピンオフなどでは、本筋主人公の近くにいてもそこまで語られることのないキャラクターがそれぞれ思っていることを語るという方式を採用する場合もあります。
どれもキャラクターが生きていないと出来ないことですし、需要があるからこそ派生作品が生まれてくるものです。
こういう派生がいいキャラクターであるからこその需要だと言うことを考えると、特に商業を睨む制作者や実際に商業で活動している制作者は確実に力を入れておく必要がある所であると言えましょう。

これはあくまで『商業的に考えて』のお話ではありますが、『脇役』と呼ばれるキャラクターにも日の目を見る可能性がある以上、そして作る本人が楽しみ尽くす為にも、『脇役』は作り込む優先順位が高い場所であると思われます!

つまりは何を言いたいのか

総じてしまうのならば「結局は『主役』だろうと『脇役』だろうと『うちの子』には変わりないのでしっかり作っておこうぜ」という話です。
制作者である自分たちが主役脇役を隔てなく愛せばそれだけ創作も楽しくなりますし、作品を最後まで完結させる為のモチベーションにもなります。
さらに人気が出たら(別に出なくても自分の趣味で)『脇役』を元にして更に作品を書くことが可能。

これほど正のスパイラルが起きる現象も、そうないのではないでしょうか?

まあそこまで行くと暴論になってしまうかも知れないので控えますが、正直手を抜いた創作が楽しいとも思えないので「えーそんなめんどい」と思わず一度がっちり作ってみてください。
きっと抜け出せなくて困っちゃうほど面白くて面白くてしょうがなくなっちゃいますから。
『主人公』をはじめキャラクター達が時に協力し時に敵対して成長していく姿は、創作者自身も描いてて燃えますし読者にも深い感動を与える重要な要素になります。
やっぱり友情でも愛情でも憎悪でも快楽でもキャラクターとキャラクターがガチンコでぶつかり合う物語のほうが共感出来うけることは間違いないです。

後はいかに彼らを魅力的に描いていくか。
それは制作者の力量と、キャラクターに対する愛にかかってくきます。
正直そこに関してはこのコラムを読んでくださってる皆様なら「問題なく!」と力コブを見せてくださるとは思いますが、うっかり話にばかり重点を置いてキャラクター愛に乏しくなると一気に共感が薄れる場合がありますので注意です。
そうなるとキャラクターに魅力がなくなり、一気に人が見なくなったりしてね……。 むしろ話に重きを置くのは後に回してまずはキャラクターに重きをおいて制作者が一緒に冒険でもしたほうが、共感という意味でははるかに読者は増えたりします。

ニコニコ動画のTRPG動画なんかは、キャラの魅力で引かせて「彼らがなにするかを見たい!」と思わせてから話に没入させる良い例じゃないかと思いますので、良ければ一度見てみることをお勧めしますよ。 まずは何より『主役』『脇役』関係なくディープなキャラの作り込みから!!
それでは皆様、魅力的なキャラクターをドンドコ作成して創作ライフ楽しんでくださいねー!

では次回の話に参りましょう。
幾らキャラクターが動いてもはじめた物語は終わらせなければ成立しません。
折角はじまった物語が完結させることで創作者ははじめて自分の描いた物を客観視し、反省点や課題を見ることができるようになります。
次回は『完成はレベルアップファンファーレ』という話をしていこうと思います。

どうぞよろしくお願いしますね! 骨董屋佐竹でした。