ターゲットを狙い撃ち!好かれるためのキャラクター作りとは

コンビニのレジには「客層キー」と呼ばれるボタンがある。コンビニによって「客層キー」の分類の内訳は異なるが、大きく「男性」「女性」の2種類にわかれ、それらを更に「未成年」「20代」「30代」などの年代で区別するというのが主流だ。
コンビニでは会計の最後にこの客層キーを押すことになっており、どの客層にどんな商品が売れているのかという統計をとっている。それをもとに売り場変更や仕入れなどが行われているのだ。コンビニでレジを眺めていたら、創作活動にも客層キーという概念は大切なのではないかという考えが浮かんだので、今回は「ターゲットにウケるキャラクター作り」についてお話したいと思う。

「客層キー」でうちの子をカテゴライズせよ

あなたは自身で生み出したキャラクターがどんな人に気に入ってもらえているのか、考えたことがあるだろうか。例えば、ハーレム系ライトノベルである拙作「フィアンセは猫である」には4人の女の子が登場するが、それぞれ違ったタイプのキャラクターとして描かれている。おっとりとしたマイペースな婚約者、高飛車で自信家のいとこ、我儘で女王様系の妹、爽やかではっきりとした性格のクラスメイト。どの女の子に惹かれるかは読者の好み次第だが、読者が好きになるキャラクターには傾向というものがある。
ここで出てくるのがそう「客層キー」というわけだ。読者の好みを「客層キー」として振り分けて考えてみると、自分の生み出したキャラクターのカテゴライズが出来る。そうすれば自ずとターゲット(読者)のこともよく見えるようになり、読者に更にウケるためにはどういうキャラクターに育て上げれば良いのかも見えてくるはずだ。

「客層キー」の作り方・使い方

具体的に創作活動、とりわけキャラクター作成における「客層キー」とは一体どういうことなのか。コンビニのレジは年齢性別で区別されていた「客層キー」だが、キャラクター作成の場合は読者の好みのタイプで分類すると良いだろう。先程例に出した拙作であれば、4人の女の子の説明そのものが「客層キー」として機能してくれる。
もっと簡単に「おっとり系」「高飛車系」「我儘系」「爽やか系」とカテゴライズしても良い。読者の声に耳を傾けていると、この中でどのタイプが人気なのかが見えてくる。それこそがキャラクター作成における「客層キー」の使い方なのである。自分の作品にはどんなキャラクターが求められているのかを知るために、また人気のキャラクターの傾向を掴むためにも「客層キー」を利用するとよいだろう。

ウケを狙うことは悪いことではない!

「そこまで計算して読者にウケるキャラクターや作品にしなくちゃいけないの?」
そう思われる人もいることだろう。もちろんあなたの生み出したキャラクターはあなたが好きなように育てるべきだ。ただ、育て方がわからなかったり、うちの子が受け入れられるか不安があるといった人は読者の好みというのを意識してみると、キャラクターを好きになってもらえる確率が上がるかもしれない。いや、この場合は的中率といったほうが適切だろうか。こういう系統のキャラクターが好きな人ならピンポイントで好きになってくれる。
そういうキャラクターが自作にいることは強みでもあると思う。全く新しい未知のキャラクターも魅力的だが、既存のカテゴリーにわけられるような典型的な性格のキャラクターには安心感がある。その安心感をうまく利用することこそがウケを狙うということなのだとわたしは考える。ウケを狙うことはイコール媚を売ることではないのだ。

読者のストライクゾーンめがけてボールを投げよう

読者の目に触れる機会が出来るということは、野球の投手としてマウンドに立つことに似ている。マウンドに立ったからには三振を奪いたい。そう思った時、ただ闇雲に見当違いの方向にボールを投げているよりは、なるべくならストライクゾーンに入るようにするべきだろう。また、ストライクを狙うために球種を選ぶことも戦略のひとつだ。何が言いたいかというと、ウケを狙ったキャラクターを育てるのであれば、そのタイプのキャラクターをとことん調べつくそう。
読者とは、自分の好みをわかっている人がほとんどである。あなたが推したいキャラクター、その手のキャラクターを今まで何人も見てきて、好きになってきたような人だ。決して付け焼刃的な知識だけでキャラクターを作ってしまうことだけはしないで欲しい。 百戦錬磨の読者の目は誤魔化せない。 愛されるキャラクターを育てたければ、読者のストライクゾーンを知り、どんな方法でそこを攻めるべきなのかという研究が必要になってくるのだ。

ストレート?変化球?大切なのは球種選び

ここまで読んでみたが、それでもウケ狙いのキャラクター作りに抵抗がある人はいるだろう。ウケ狙いはつまらない。どこか虚しい気がする。そんな声も聞こえてきそうだ。しかし、本当にそうだろうか。ウケを狙うということは着地点が見えている、ということだ。ストライクゾーンがわかっている、ということだ。

しかし、それがわかっているだけでは投げた球すべてがストライクにはなることは決してないだろう。大切なのはあなたの配球センスで、いつどんな球を投げるかが重要だ。
ここで言う配球センスとは、読者にウケてもらうためにどんな作戦を立てるか、ということである。
三振を奪うためには、強気なキャラクターが弱みをみせたり、王道と言われるような言動をさせたりといった駆け引きが必要になる。そんな駆け引きを楽しむというのも創作の醍醐味、創作テクニックのひとつではないだろうか。

配球センスを高めるために

しかし実は、配球センスとはあなただけが頑張ってどうにかなるものではない。ピッチャーには必ず対になる存在であるキャッチャーがいる。このキャッチャーの配球センスこそが、奪三振への鍵となるのだ。
では、キャッチャーとは誰だろう?投げたボールを受け止める存在。そう、キャッチャーこそが読者の真の姿だといえるだろう。バッターであり、キャッチャーでもある読者にしっかりとボールを受け止めてもらえるように、わたしたちは今日もひたすら練習に励もう。
読者は自作を評価してくれるという意味では戦いを挑むべき相手でもあるが、同時に自作を好きになってくれるかもしれない良き理解者候補でもある。作品を向上させるヒントはいつだって読者の視点にあることを忘れないでいたい。