キャラの星座を考えよう!応用編・上

連載第6回から第8回にかけて「創作×占星術のムダ知識」を掲載させていただきました。このまま延々とムダ知識をまき散らしたかったのですが、大人の事情(ネタ切れ)により断念いたしました。
代わりに、第1回から第5回の「キャラの星座を考えてみよう!」シリーズの応用編を書かせていただきたく存じます。

占星術にはいろんな要素があって、一歩でも踏みこんだことをやろうとすると急激に複雑化します。そして、そこには底なし沼……というよりも無限の宇宙が広がっています。
つまり、今回ご説明させていただく応用編を実際に試してみようとすると、ややこしいがために頭がこんがらがりやすい……ということです。
別に応用編を使わなくても創作活動は楽しいものなので、引き返すなら今のうちです。

ですが、応用編の技法を使えるようになると、キャラの内面の奥深くまで分析できるようになります。キャラの性格の「深み」を星座でも表現できるようになります。
すなわち、創作ライフがよりいっそう充実する助けになるのです。

この記事はこんな方にオススメです!
  • 自分のキャラについてもっと知りたい方
  • 「うちの子の魅力をたった12種類しかない星座で伝えきれるわけないじゃない!」と感じている方
  • 西洋占星術についてもっと知りたい方

西洋占星術とは ~復習編~

第1回のはじめのほうで西洋占星術の概要をざっくりとご説明いたしました。
そのときに、雑誌やテレビの星占いでおなじみの「いわゆる12星座」は、占星術の世界では「太陽星座」と呼ばれているものです……と書かせていただきました。

第1回~第4回でご説明させていただいた「キャラの星座」は、「太陽星座」でした。
「太陽星座」は「そのキャラクターのオモテの顔/公の顔」です。これは、同じ作品の別のキャラや、あるいは受け手に「このキャラはこんなひと!」と認識されている性格を表す星座です。

また、西洋占星術では太陽・月・水星・金星・火星・木星・土星・天王星・海王星・冥王星の10天体を主に使用します。ということも書かせていただきました。
実は、この10天体それぞれに星座があるのです。「太陽星座」と同じように、「月星座」「水星星座」……果ては「冥王星星座」まで存在しています。
人間の性質にかぎらず、ものごとは「太陽星座」だけで表されるわけではありません。10個の天体を組み合わせることで、あれこれ深読みするのが占星術なのです。

でも、10天体すべての星座を考えるのは大変です。
なので、応用編では「月星座」について解説いたします。

月について

月は太陽の光を受けて輝きます。
そのため、月は太陽を映しだす鏡であり、月のおかげで人間の目には強すぎる太陽の光を和らげて認識しやすくすることができます。人間は月を通すことで、太陽のエネルギーを穏やかに感じ取れるわけですね。

太陽の光が月にたどりつくことで、私たち人間は太陽と月、両方の存在を実感することができます。
これが転じて、四方八方に放出される太陽のエネルギーに、「こうしたい!」という目的を与えるのが「月」。そんなふうに、心理占星術では考えます。
だから、「月星座」は「太陽星座」と同じくらい大事なものとされています。

月は地球の衛星です。西洋占星術の世界では「地球=私」です。なので、地球のものである月は「私のもの」、つまり「私的なもの」を表しています。
また、「月」はつねに満ち欠けを繰り返しているため、移ろいやすいものの象徴とされています。
この移ろいやすさは、日々落ちこんだり喜んだりして揺れ動く、ひとの心に似ています。
そんなわけで、「地球」=「私」の心の状態を反映するのが、「月」だとされています。

月は星座によって、「なにに」「どんなふうに」満たされたいのか違ってきます。
言い換えれば、「どんな欲求を抱いているのか」ということです。

たとえば牡牛座の月なら、大ざっぱに表現すれば「心地よさを大切にしたい欲求」になります。
さらに、このひとが蠍座の太陽を持っているとしたら、「心地よさを大切にしたい欲求を満たすために、対象を深く知ろうとする」といったところでしょうか。
このように、太陽星座にプラスして月星座も設定することで、そのキャラが「どんな動機があって(月星座)、どんな人物として生きようとしているのか(太陽星座)」を語ることができるのです。

月星座を決めることのメリット

キャラの行動に説得力が出る

「月星座」によって、キャラの根っこにある欲求を表現することができます。キャラのありとあらゆる行動を「月星座」の欲求と結びつけて考えてみることで、「どうしてこのキャラはこんなことをしたのか」ということが説明しやすくなるかと思います。
作り手の意図を越えてキャラが勝手に動くことも少なくないのではないでしょうか。このキャラがどうしてこんな行動をとたのかわからない……。そんなときにも、キャラの「月星座」が使えるはずです。

ストーリーが作りやすくなる

ストーリーを作る上で、主人公の目的と動機を押さえることはとても重要だ……と言われています。「月星座」を設定すると、そのキャラの欲求の方向性が定まるので、「動機」がブレにくくなるという利点があります。
また、「月星座」を設定することによって、キャラの求めているものがよりはっきりと意識できるようになるので、物語の落としどころをイメージしやすくなると考えられます。

ギャップが演出できる

表向きはチャラくて社交的なキャラだけど(太陽星座)、実は現実主義で情には流されない(月星座)……。
自分が「これ、すごくいいよ!」と思っているものを広めたくてしょうがないけれど(月星座)、まずは他人に親身になることで、自分の布教活動の拠点を作ろうとしている(太陽星座)……。
あるいは、出会ったときは「太陽星座」の顔しか見せてくれなかったけれど、親しくなったら「月星座」の顔も見せてくれるようになった。見栄っ張りだと思ってたけど(太陽星座)、実は甘えたがりだったんだね(月星座)……。
みたいな感じで、「太陽星座」と「月星座」をぜんぜん違った星座にすることで、ギャップを演出することも可能です。

月星座を決めることのデメリット

  • ややこしい
  • めんどうくさい
  • 「太陽星座」と「月星座」がごっちゃになる

おそらく、ここまで読んでくださった方はこれらのデメリットを許容できるとは思いますが……。

長くなったので、次回に続きます。
次の記事では、例をいくつか挙げながら、キャラの「月星座」の設定方法について解説させていただきます。